サービス担当者会議は、ケアプランを新規に作成するときや内容を変更するとき、また要介護認定の更新や区分変更を受けたときに、開催が義務付けられています。開催できないやむを得ない理由があるときは、担当者への照会で代替でき、その場合も理由と回答内容を記録に残す必要があります。
持ち帰るもの:第4表にそのまま使える記入例と、欠席者への照会文例
読了の目安:約12分
読まなくていい人:サービス担当者会議の開催基準と第4表の書き方が、すでに事業所内でマニュアル化されている方には、この記事は不要です。
先に確認する言葉
サービス担当者会議 介護支援専門員(ケアマネジャー)が、居宅サービス計画(ケアプラン)の原案について、利用者・家族と、その計画に関わる各サービス事業者の担当者を集めて開く会議です。専門的な見地からの意見を求め、情報を共有する場です。
サービス担当者会議の要点(第4表) 会議を開いたときに、出席者・検討した項目・検討内容・結論・残された課題等を記録するための、居宅サービス計画書の標準様式のひとつです。
照会 会議を開けないやむを得ない理由があるとき、欠席する担当者に対して、電話やFAX、書面等で個別に意見を求める方法です。会議の代わりとして扱われます。
この記事は、居宅介護支援事業所の運営基準をもとに整理しています。施設ケアマネジャーが行う施設サービス計画でも、同じ考え方で会議を運用している事業所が多くあります。
サービス担当者会議はいつ開かないといけないのか
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第38号)第13条は、介護支援専門員が行う一連の業務を定めています。このうちサービス担当者会議の開催に関わる規定は、主に第9号と第15号の2つです。
新規作成・変更のとき(第9号)
介護支援専門員は、サービス担当者会議の開催又は担当者に対する照会等により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
居宅サービス計画の原案を作った時点、または内容を変更する時点で、原則としてサービス担当者会議を開き、担当者から専門的な見地からの意見を求めることが定められています。
認定更新・区分変更のとき(第15号)
第15号は、要介護更新認定を受けたとき、要介護状態区分の変更の認定を受けたとき、支給限度額が変更されたときについて、同じくサービス担当者会議の開催または担当者への照会等により、担当者から専門的な見地からの意見を求めることを定めています。新規・変更のときとは別に、認定のタイミングでも会議を開く必要がある点は見落とされやすいところです。
| タイミング | 根拠 | 主な確認内容 |
|---|---|---|
| 居宅サービス計画の新規作成 | 第13条第9号 | 原案の内容について担当者から専門的な意見を求める |
| 居宅サービス計画の内容変更 | 第13条第9号 | 変更後の原案について担当者から専門的な意見を求める |
| 要介護更新認定を受けたとき | 第13条第15号 | 計画の変更の必要性について担当者から意見を求める |
| 要介護状態区分の変更認定を受けたとき | 第13条第15号 | 同上 |
| 支給限度額が変更されたとき | 第13条第15号 | 同上 |
サービス内容に変更が無く、提供時間など軽微な変更にとどまる場合は、サービス担当者会議を新たに開かなくてよいと整理されています。何が軽微な変更にあたるかは事業所ごとに判断が割れやすいため、迷う場合は開催する方向で検討することをおすすめします。
誰を呼ぶか(担当者の範囲)
担当者とは、居宅サービス計画の原案に位置づけた指定居宅サービス等の事業者の担当者を指します。利用者の状態や計画の内容によって、呼ぶべき担当者の範囲は変わります。
- 居宅サービス計画に位置づけたサービス事業者の担当者(デイサービス、訪問介護、訪問看護等)
- 利用者本人・家族(原則として同席が基本です)
- 主治医等の医療関係者(必要に応じて。多くの場合は照会で対応します)
- 地域包括支援センターの職員(要支援からの移行等、関わりがある場合)
主治医は多忙で会議に出席できないことがほとんどです。事前に文書で意見照会をしておき、その回答を第4表に添付するか、検討内容欄に引用する運用が一般的です。
開けないときは「照会」で済ませる条件と文例
第13条第9号・第15号のいずれも、やむを得ない理由があるときは担当者に対する照会等により意見を求めることができるとしています。会議を開かない選択そのものは認められていますが、理由を具体的に記録することが前提です。
「やむを得ない理由」として通用する書き方
| 書き方 | 扱い |
|---|---|
| 「多忙のため」とだけ書く | 具体性が無く、理由として不十分になりやすい |
| 「利用者の急な入院により、退院日までに担当者の日程調整が困難だったため」 | 状況と期限が具体的で、理由として説明できる |
| 「感染症の拡大防止のため、対面での会議を見合わせたため」 | 感染症対策等、社会的な事情も理由になり得る |
| 「担当者の勤務シフトが合わなかったため」とだけ書く | 調整を試みた経過が無いと、理由として弱い |
「やむを得ない理由」は、会議を開けなかった結果ではなく、開こうとしたが開けなかった経過を書くことがポイントです。誰に、いつ、どう連絡したか、その結果どうだったかまで記録しておくと、後から確認したときに判断の根拠が残ります。
照会の依頼文例(欠席する担当者へ)
◯◯様のケアプラン◯◯(新規作成/変更)にあたり、サービス担当者会議を◯月◯日◯時に予定しておりましたが、貴事業所のご都合が合わないとのことでしたので、書面にて意見照会をさせていただきます。下記の点について、◯月◯日までにご回答をお願いいたします。①現在のサービス提供状況で気になる点 ②今回の計画変更(案)についてのご意見 ③その他、他の担当者と共有すべき情報
照会に対する回答を記録するときの書き方
照会への回答は、来た内容をそのまま第4表の欠席した担当者の意見として記載します。「特に意見なし」という回答だった場合も、特に意見なしという回答があった事実として記録し、意見が無かったこと自体を記録から消さないようにします。
第4表(サービス担当者会議の要点)の書き方
記録の標準様式は、「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号、令和4年3月一部改正)が示す第4表「サービス担当者会議の要点」です。出席者、検討した項目、検討内容、結論、残された課題等を記載します。
出席者欄の書き方(欠席者の記載を含む)
出席した担当者は、職種と氏名を記載し、利用者本人・家族が出席したかどうかも記載します。会議に出席できなかった担当者がいる場合は、その担当者の職種・氏名・欠席理由もあわせて記載しておくと、照会で対応した経過が分かる記録になります。
検討した項目・検討内容の書き方
検討した項目は、話し合ったテーマを短く列挙します。検討内容は、そのテーマについて誰がどんな意見を述べ、どう議論が進んだかを、担当者ごとに分かる形で書きます。
記入例 検討した項目:入浴時の見守り体制について。検討内容:デイサービス担当者より、入浴時にふらつきが見られるとの報告があった。訪問介護担当者は、自宅での入浴介助時には同様の様子は見られていないと発言。本人からは「お風呂は好きだが、最近少し怖い」との発言があった。
結論・残された課題の書き方
結論は、検討の結果、計画にどう反映するかを書きます。意見が割れて結論が出なかった場合も、結論が出なかったこと自体を結論欄に書き、次にいつ確認するかを残された課題欄に書いておきます。
記入例 結論:入浴時の見守りを1名体制から声かけと付き添いのある体制に変更する。残された課題:見守り体制変更後の様子を2週間後の訪問時に確認し、必要に応じて福祉用具の導入を再検討する。
結論が出なかったことを記録に残さず、あいまいなまま計画書だけを更新すると、なぜその内容になったのかが後から追えなくなります。結論が出なかった場合ほど、検討の過程を丁寧に書いておくとよいでしょう。
書く前に確認しておく5つのこと
- 出席者(欠席者を含む)の職種・氏名は全員分そろっているか
- 欠席者への照会を行った場合、回答内容を記録したか
- 検討した項目と検討内容が、担当者ごとに分かる形で書かれているか
- 結論(出なかった場合はその旨)が明記されているか
- 残された課題と、次に確認するタイミングが書かれているか
議事録が無いとどうなるか(運営基準減算)
サービス担当者会議を開催すべき場合に、正当な理由なく開催しておらず、かつ担当者への照会等も行っていない状態が確認されると、居宅サービス計画の作成等に関する運営基準の規定に適合していないとして、運営基準減算の対象になります。厚生労働省が示す取扱いでは、所定単位数の100分の50を減算し、その状態が2か月以上継続する場合は所定単位数を算定しないとされています。
運営基準減算は、会議を開いていないこと自体だけでなく、開けなかった理由や照会の記録が確認できないことによっても発生します。会議を開いたかどうかと、その経過を記録しているかどうかは、別に確認しておく必要があります。
議事録の保存期間と保存方法
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第29条第2項は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供に関する記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならないと定めています。第4表を含むケアプラン関連の記録も、この保存義務の対象です。自治体によっては、条例でこれより長い保存年数(5年等)を定めている場合もあるため、自分の事業所が所在する自治体の基準もあわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. サービス担当者会議は、必ず全員を1か所に集めて開かないといけませんか?
対面が原則ですが、やむを得ない理由があるときは、担当者への照会等で代替できます。オンライン会議での開催も、対面に準じる方法として扱われています。
Q. 第4表は、会議に出席した担当者の分だけ書けばよいですか?
いいえ。出席できなかった担当者がいる場合は、その担当者の職種・氏名・欠席理由もあわせて記載しておくことが望まれます。照会で意見を得た場合は、その回答内容も記録します。
Q. 「特に意見なし」という回答も記録する必要がありますか?
必要です。意見が無かったこと自体も、照会を行い回答を得たという経過の記録になります。記載を省略すると、照会そのものを行ったかどうかが後から確認できなくなります。
Q. サービス担当者会議を開けなかった状態が続くと、どうなりますか?
正当な理由なく開催しておらず、記録も確認できない状態が続くと、運営基準減算の対象になります。所定単位数の100分の50が減算され、2か月以上継続すると所定単位数は算定されません。
Q. 議事録はいつまで保存すればよいですか?
完結の日から2年間保存する義務があります。ただし自治体の条例でこれより長い年数を定めている場合があるので、事業所が所在する自治体の基準もあわせて確認してください。
Q. 議事録は会議の直後に清書しないといけませんか?
できるだけ早く整理することが望ましいですが、現場では、ケアプラン作成や他の記録を優先して、担当者会議の記録をまとめる作業が後回しになりがちだという声もあります。記憶が新しいうちに要点だけメモしておき、清書は落ち着いた時間に回すという分け方をすると、負担を減らせます。
要点サマリー
- サービス担当者会議は、居宅サービス計画の新規作成・変更のとき(第13条第9号)、要介護更新認定・区分変更認定を受けたとき(第13条第15号)に開催する
- やむを得ない理由があるときは、担当者への照会等で代替できる。理由は経過が分かる形で具体的に記録する
- 第4表(サービス担当者会議の要点)には、出席者(欠席者を含む)、検討した項目、検討内容、結論、残された課題を記載する
- 会議も照会も行わず記録も無い状態が確認されると、運営基準減算(所定単位数の50/100、2か月以上継続で算定なし)の対象になり得る
- 記録は完結の日から2年間(自治体の条例で上乗せがある場合はそれに従い)保存する
出典
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第38号)第13条第9号・第15号、第29条第2項(記録の整備)/厚生労働省/2026年8月19日確認/https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999405&dataType=0&pageNo=1
介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について(平成11年11月12日老企第29号、令和4年3月一部改正)/厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課/2026年8月19日確認/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000908749.pdf
居宅介護支援に係る運営基準減算の取扱い(単位数)/厚生労働省/2026年8月19日確認/https://www.mhlw.go.jp/content/001064398.pdf
関連記事
あわせてどうぞ
サービス担当者会議の記録に限らず、日々の記録作成そのものをAIで時短したい方は、コピペで使える指示文12本をまとめたnoteをどうぞ。
記録の残業を今週やめる|介護士がコピペで使える指示文12本(¥980)
筆者について 現役の施設ケアマネジャー。特別養護老人ホームでの介護職を経て、施設ケアマネジャーとして勤務しています。担当者会議の記録をまとめる作業は地味で後回しにされがちですが、これも記録・書類の仕事のひとつです。書き方の型を持っておくと迷う時間が減り、その分を利用者と向き合う時間に回せると感じています。制度の解釈は、厚生労働省の省令・通知の原本に当たって確認しています。