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モニタリング記録の書き方|第5表の文例3パターンと頻度早見表

居宅介護支援のモニタリングは、特段の事情がない限り「月1回の訪問」と「月1回の記録」の両方を満たして、初めて実施したことになります。訪問していても記録が残っていなければ、運営指導では未実施として扱われます。

持ち帰るもの:第5表にそのまま使える文例3パターンと、課題分析標準項目をもとにした観察チェックリスト9カテゴリ

読了の目安:約12分

読まなくていい人:毎月の訪問と記録がすでに滞りなく回っていて、運営指導でも記録の書き方を指摘されたことがない方には、この記事は不要です。

先に確認する言葉

モニタリング 居宅サービス計画(ケアプラン)どおりに支援が進んでいるか、利用者の状態に変化がないかを、訪問・面接によって定期的に確認する一連の作業のことです。

特段の事情 利用者側の事情によって、訪問しての面接ができない場合を指す言葉です。ケアマネジャー側の都合(多忙・体調不良など)は含まれません。

軽微な変更 居宅サービス計画の変更のうち、曜日変更や利用回数の微増減など、ケアプラン作成の一連の業務を改めて行う必要性が低いと判断できる変更のことです。

この記事が扱うのは、居宅介護支援(ケアマネジャー)のモニタリングです。通所介護や施設サービス計画のモニタリングは、根拠となる基準が別に定められています。

モニタリングの法定頻度と記録の期限

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第38号)第13条は、モニタリングについて次の頻度を定めています。

項目基準例外
訪問面接少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問して面接する特段の事情がある場合を除く
記録少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録する特段の事情があっても記録自体は必要
テレビ電話等の活用文書同意とサービス担当者会議等の合意があれば、少なくとも2月に1回の訪問で、訪問しない月はテレビ電話装置等での面接が可能利用者の心身が安定し、意思疎通が可能な場合に限る

記録が無ければ実施したことにはなりません。訪問した記憶があっても、記録が残っていなければ、運営指導では未実施として扱われます。

記録に書くべき9つの観察項目(チェックリスト)

「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号)の課題分析標準項目は、「利用者の状態に大きな変化が見られない」かどうかを判断する材料として、厚生労働省が示している視点です。モニタリングの記録でも、この9カテゴリを軸に確認すると、何を見て変化なしと判断したのかが後から追えます。

  1. 健康状態・受診・服薬 血圧、既往歴、症状、痛みや褥そうの有無、受診頻度、服薬している薬の種類と服薬の実施状況
  2. ADL 起き上がり、立ち上がり、移乗、移動方法、歩行、食事、更衣、入浴、トイレ動作
  3. IADL 調理、掃除、洗濯、買物、服薬管理、金銭管理、交通機関の利用
  4. 認知機能・判断能力 意思決定の状況、認知症の中核症状・行動心理症状が見られる頻度や背景
  5. コミュニケーション 理解と表出の状況、視覚・聴覚の能力、対面以外のコミュニケーション機器の活用
  6. 生活リズム 1日・1週間の過ごし方、活動の内容と量、休息・睡眠の状況
  7. 排泄 場所・方法、失禁の状況、後始末の状況、日中・夜間の排泄リズム
  8. 清潔・皮膚 入浴や整容の状況、皮膚や爪の状態、寝具や衣類の清潔状況
  9. 口腔・食事 歯や義歯の状態、口腔ケアの状況、食事摂取の状況、栄養状態、水分量

9カテゴリすべてを毎回同じ分量で書く必要はありません。前回訪問時から変化があった項目だけを厚めに書き、変化がない項目は「変化なし」と一言添える程度で十分です。

第5表の書き方|文例3パターン

居宅介護支援経過(第5表)は、5W1Hを明確にし、共通的でない略語や専門用語を避け、曖昧で抽象的な表現を避けて、箇条書きも活用しながら記載します。以下は状況ごとの文例です。実際の記録は具体的な日付・氏名・数値に置き換えて使ってください。

状態が安定している場合

◯月◯日、自宅を訪問し本人と面接。ADL・IADLともに前回訪問時から変化なし。短期目標「◯◯の継続」は達成できている。本人より「今のままでいい」との発言あり。家族にも状況を確認し、サービス継続を希望との回答。居宅サービス計画の変更なし。

ポイント:変化が見られない月ほど、9カテゴリのうちどこを確認して「変化なし」と判断したかを書いておくと、運営指導のときに実施の中身が伝わります。

小さな変化が見られた場合

◯月◯日、自宅を訪問し本人と面接。歩行時のふらつきについて、本人より「最近、少し不安定になった気がする」との発言あり。前回訪問時と比較し、屋内移動での見守りの必要性が増している可能性。担当ヘルパーへ状況確認を依頼。次回訪問(◯月◯日予定)までの経過を注視し、現時点では居宅サービス計画の変更を保留とする。

ポイント:「変化がある」で終わらせず、誰に何を確認したか、次回いつ見るかまで書くと、計画変更が必要になったときに経過をたどりやすくなります。

サービス変更につながる場合

◯月◯日、自宅を訪問し本人・家族と面接。入浴時の見守り量が増え、家族の介助負担が増加している旨の申し出あり。短期目標「安全な入浴」の達成が困難になりつつあると判断。◯月◯日にサービス担当者会議を開催し、訪問介護の入浴介助追加について担当者から専門的な意見を求める予定。

ポイント:計画変更につながる記録は、変化の内容だけでなく「誰が」「何を」「いつまでに」判断するかを書いておくと、サービス担当者会議の準備がそのまま進みます。

「特段の事情」に当てはまるケースとその書き方

特段の事情に該当する例

  • 利用者の入院
  • 利用者の施設入所

「特段の事情」とは、利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し面接することができない場合を主として指すものであり、ケアマネジャー側の多忙や体調不良といった事情は含まれません。

該当した場合の記録例

◯月◯日、利用者が◯月◯日より緊急入院のため訪問できず。特段の事情に該当。入院先へ電話にて状況を確認済み。退院後、速やかに訪問する予定。

入院・入所期間中も、電話等での状況確認や、退院後に速やかに訪問する予定を記録しておくと、特段の事情のあいだも継続的にモニタリングを行っていたことが伝わります。

モニタリングの結果、計画変更が必要になったとき

モニタリングにより利用者の解決すべき課題に変化が認められる場合は、居宅サービス計画の変更対象になります。また、要介護認定を受けている利用者が要介護更新認定を受けた場合、要介護状態区分の変更の認定を受けた場合は、サービス担当者会議の開催により、居宅サービス計画の変更の必要性について担当者から専門的な見地からの意見を求めます。

軽微な変更との区別

区分内容
軽微な変更に該当しうる例サービス提供の曜日・日付変更、週1回程度の利用回数の微増減、事業所の名称変更、利用者の住所変更、単なる目標設定期間の延長、担当ケアマネジャーの変更(新担当者が面識を有する場合)
一連の業務が必要になる例利用者の解決すべき課題(生活全般の課題)に変化が認められる変更、サービス種別や目標そのものが変わる変更、要介護認定の更新・区分変更の認定を受けた場合

軽微な変更に該当するかどうかは一律に決まるものではなく、継続的かつ計画的なサービス利用や担当者への個別サービス計画の提出依頼といった、ケアプラン作成にあたっての一連の業務を行う必要性が高い変更かどうかで、その都度判断します。

記録がないと何が起きるか

モニタリングは、訪問と記録の両方がそろって初めて実施したことになります。訪問していても記録がなければ、実施していないものとして扱われ、運営基準減算の対象になり得ます。運営指導では、この記録の有無と内容が確認のポイントになります。

テレビ電話等を使ったモニタリングの条件

特段の事情がなくても、次の2つの条件を満たす場合は、少なくとも2月に1回の訪問で、訪問しない月はテレビ電話装置等を活用した面接に代えることができます。

満たすべき2つの条件

  • 文書により利用者の同意を得ていること
  • サービス担当者会議等で、利用者の心身が安定していること、テレビ電話等での意思疎通が可能であること、担当者から必要な情報の提供を受けることについて、合意を得ていること

訪問を減らしてよいという規定ではなく、訪問と訪問のあいだをテレビ電話等で補う仕組みです。同意と合意の記録も、モニタリングの記録と合わせて残しておきます。

よくある質問

Q1. モニタリングの訪問は何分くらいで終わらせていい?

基準に時間の定めはありません。本人の状態把握に必要な範囲で面接を行い、確認した内容を記録に残すことが求められます。

Q2. 記録はいつまでに書けばいい?

「少なくとも1月に1回」という頻度の定めはありますが、訪問から何日以内に書くかという期限は基準上明記されていません。記録が無ければ実施と認められないため、訪問した日か、記憶が新しいうちに書いておくと、後から内容を思い出せなくなるのを防げます。

Q3. 「特段の事情」に該当するのはどんな場合?

基準の解釈通知は、利用者の入院や施設入所など、利用者側の事情により居宅を訪問して面接できない場合を主として指すとしています。ケアマネジャー側の多忙や体調不良といった事情は含まれません。

Q4. テレビ電話でのモニタリングはどんな時に使える?

利用者から文書で同意を得て、サービス担当者会議等で心身の安定と意思疎通が可能なことの合意が取れている場合に限り、少なくとも2月に1回の訪問を行えば、訪問しない月はテレビ電話装置等での面接が認められます。

Q5. モニタリングの結果、計画変更が必要になったらどうする?

利用者の解決すべき課題に変化が認められた場合は、居宅サービス計画の変更対象になります。要介護認定の更新や区分変更の認定を受けた場合は、サービス担当者会議を開き、担当者から専門的な意見を求めます。

Q6. 記録を書き忘れたらどうなる?

記録がなければ実施したとは認められず、運営基準減算の対象になり得ます。運営指導でも記録の有無が確認されます。

要点サマリー

  • モニタリングは「月1回の訪問」と「月1回の記録」の両方が基準(特段の事情がない限り)
  • 記録が無ければ実施と認められず、運営基準減算につながる
  • 「特段の事情」は利用者側の事情に限られ、ケアマネジャーの都合は該当しない
  • 課題分析標準項目の9カテゴリを軸に観察すると、変化の有無を判断しやすい
  • 変化が認められれば計画変更、軽微な変更なら一連のプロセスは不要

出典

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第38号)第13条/厚生労働省/2026年8月18日確認/https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999405&dataType=0&pageNo=1

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年7月29日老企第22号)/厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知/2026年8月18日確認/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001221591.pdf

居宅介護支援・介護予防支援・サービス担当者会議・介護支援専門員に係る項目及び項目に対する取扱い/厚生労働省/2026年8月18日確認/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001221646.pdf

介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について(平成11年11月12日老企第29号)課題分析標準項目/厚生労働省/2026年8月18日確認/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001221646.pdf

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筆者について 現役の施設ケアマネジャー。特別養護老人ホームでの介護職を経て、施設ケアマネジャーとして勤務しています。毎月のモニタリング訪問と第5表の記録を担当してきました。制度の解釈は、厚生労働省の省令・通知の原本に当たって確認しています。

この記事を書いた人:ミミ介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護施設で生活相談員・ケアマネジャーとして勤務。現場の職員研修と介護現場でのAI活用の推進に携わっています。記事の数字・制度は一次資料の原文を開いて確認してから書いています。誤りに気づいた方はお問い合わせから教えてください。 運営者情報

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