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体重が3週間動かなくて「停滞期だ、もう無理」と思った人へ。80本の試験と体重の計算モデルで見ると、減り方が鈍るのは何か月目なのか

約8分で読めます 更新継続心理
この記事の要点

VITA Boardは筆者が運営するアプリです。

ここで紹介するCさんは、よくある経過をもとに筆者が組み立てた架空の人物です。実在の人の体験ではありません。

この記事の内容

Cさんの7週間#

Cさんは、夕食のご飯を軽く1杯減らし、間食を1日1回に決めて減量を始めた。

  • 1〜4週目:体重計の数字は少しずつ下がり、4週間で2kgほど減った
  • 5週目:ほとんど変わらない
  • 6週目:0.3kg増えて、また戻る
  • 7週目:5週目とほぼ同じ数字

ネットで調べると「停滞期は始めて1か月ほどで来る」「体が飢餓状態だと思って代謝を下げる」と書いてある。3週間も動かないなら、自分のやり方が間違っているのかもしれない。Cさんは8週目の月曜、体重計に乗るのをやめた。

この7週間を、研究の数字と並べてみる。

確かめたいことは3つ#

Cさんが思ったこと確かめる一次情報
1か月で減らなくなったのは「停滞期」だ80本の減量試験をまとめた分析(Franzら、2007年)
同じ食事を続ければ、同じペースで減り続けるはず体重の変化を計算したモデルの論文(Hallら、Lancet誌、2011年)
2kgしか減っていないのは失敗だ減量を始める人の「期待」を聞いた研究(Fosterら、1997年)
確かめたいことは3つ

1. 試験の平均では、体重が横ばいになるのは「約6か月」#

米国のFranzらは、1年以上追跡した減量の臨床試験80本を集めて分析した(Journal of the American Dietetic Association、2007年)。食事を減らす方法や薬を使った方法では、最初の6か月で平均5〜8.5kg(体重の5〜9%)減り、体重はおよそ6か月で横ばいになった。

48か月まで追った試験でも、平均3〜6kg(3〜6%)の減量が保たれていて、どの群も元の体重までは戻っていなかった。一方、助言だけの群や運動だけの群は、どの時点でも減り方が小さかった。

研究の平均Cさん
減り方が鈍る時期約6か月5週目
それまでの減量5〜8.5kg2kg
1. 試験の平均では、体重が横ばいになるのは「約6か月」

試験の平均で横ばいになるのは6か月前後で、Cさんの5週目とはかなり離れている。ただし、この分析が最初に体重を測った時点は6か月で、それより前の週ごとの動きは分からない。数字は試験の平均で、一人ひとりの経過でもない。言えるのは、「停滞は1か月で来る」という話の裏付けにはならない、というところまでだ。

2. 体重は、思っているよりずっとゆっくり反応する#

では、なぜ1週ごとに見ると減ったり止まったりするのか。

米国国立衛生研究所のHallらは、体重が減るにつれて消費するエネルギーも変わることを組み込んだ計算モデルを作った(Lancet、2011年)。論文は、平均的な過体重の大人について、こういう目安を出している。

  • 1日の食べる量を100kJ(約24kcal)減らした状態をずっと続けると、最終的に体重は約1kg減る
  • その変化の半分が起きるまでに約1年、95%が起きるまでに約3年かかる

あわせて論文は、「1日に約2MJ(約480kcal)減らせば週に約0.5kg減り続ける」という広く使われている目安(1ポンド=3500kcalの法則)は、体重が減ったときの体の調整を無視していて誤りだ、と指摘している。

これをCさんに当てはめるとこうなる。ご飯を軽く1杯減らすことが仮に1日150kcalほどの差だとすると、目安の上では最終的な変化は6kg前後で、その半分が出るまでに1年ほどかかる計算になる。この目安が示しているのは、同じ食事を続けていても、体重の減るペースは時間とともに小さくなっていく、という形だ。ただ、この目安は何か月から何年の単位で見た平均の予測で、Cさんの最初の4週間のような短い期間の動きを説明するものではない。

1日ごとの体重は、食べた物や水分の量でも上下する。何か月もかけて進むゆっくりした変化は、その上下に隠れて、1週ごとの体重計の数字では見えにくい。3週間横ばいに見えた数字が、何を意味しているのかは、1週ずつの数字だけでは判断できない。

3. 「2kgしか」と感じる理由:期待の大きさ#

3つ目は数字の受け止め方の話だ。

米国のFosterらは、48週間の減量プログラムに参加した肥満の女性60人(平均体重99.1kg)に、始める前に5つの体重を答えてもらった(Journal of Consulting and Clinical Psychology、1997年)。

参加者が答えた体重平均
目標の体重体重の32%減
これなら受け入れられる体重25kg減
がっかりする体重17kg減
3. 「2kgしか」と感じる理由:期待の大きさ

48週間後、平均の減量は16kgだった。それでも47%の人は「がっかりする体重」にすら届かなかった。論文は、患者の期待と専門家が勧める「ほどほどの減量」との間に大きな開きがあると指摘し、もっと控えめな結果を受け入れられるよう支える必要があると結論している。

Cさんの「2kgしか」も、同じ形をしている。研究の平均で6か月かけて5〜8.5kgという数字を基準にすると、4週間の2kgは遅れていない。期待のほうが先に走っていた。

この研究はやめた人を数えたものではないので、「期待が高いとやめる」とまでは言えない。言えるのは、この研究の参加者が、48週で16kg減っても半数近くが「がっかり」の水準に届かないほど大きな減量を思い描いていた、ということだ。

もしCさんが7週目に戻れるなら#

7週目に考えたこと一次情報を踏まえた見方代わりにできたこと
停滞期が来た試験の平均で横ばいになるのは約6か月あと数週間は、同じ食事を続けて様子を見る
1週ごとの数字が動かない体重はゆっくり反応し、日々の上下に隠れる1日ずつより、2〜3週の幅で平均を見る
2kgしか減っていない研究の平均は6か月で5〜8.5kg6か月で体重の5%前後を、最初の目安に置き直す
もしCさんが7週目に戻れるなら

今日からできる3つの行動#

  1. 始める前に、「がっかりする体重」を紙に書いて、6か月で体重の5%と比べる。 体重70kgの人なら5%は3.5kg。書いた数字がそれよりずっと大きければ、そのずれが後でやめたくなる種になりやすい。
  2. 体重は1回の数字で判断しない。 毎日乗る人は1週間の平均、週1回の人は3回分の並びで見る。上がった日の数字だけで方針を変えない。
  3. 3週間動かなかったら、まず記録を見直す。 量を変える前に、飲み物や調味料など記録から漏れているものがないかを数日だけ丁寧に確かめる。食べる量をさらに減らすかどうかは、そのあとで考える。

アプリで続ける#

VITA Boardでは、目標を「減量」にしていると、直近3週間に体重を10日以上記録し(最初と最後が14日以上離れていること)、食事を2食以上記録した日が10日以上あり、体重の傾向の減りが週0.1kg未満で、目標体重まで0.5kg以上あるときに、「停滞期サポート」のカードが出る。記録から逆算した実際の消費カロリーと直近の平均摂取を並べて見せ、記録上は目標より少ないのに体重が動かないときは、記録漏れの見直しをすすめる。そのうえで、2週間だけ維持のカロリーで休む「ダイエットブレイク」を選べる。実測から見て目標を下げる余地があるときは、目標カロリーの見直しも選べる。アプリが自動で計算・提案する目標カロリーは、基礎代謝と「女性1,200/男性1,500kcal」のうち高いほうより下げない(設定から手入力した値は除く)。1日記録を忘れても、連続記録が2日以上続いていて券が残っていれば、毎週配られる「おやすみ券」が自動で使われて連続記録は途切れない(券は最大2枚まで持てる)。→ VITA Boardを試す

記事同士の会話:以前の記事「月曜の体重計で心が折れる人へ」では、体重には週のリズムがあり、週末明けに高く出やすいという研究を紹介した。Cさんの6週目の「0.3kg増えて、また戻る」も、こうした上下の範囲で起きることがある。今回の記事は、その上下のさらに下で進む、何か月単位の変化の話になる。

誤解の墓場#

誤解実際は
停滞期は、始めて1か月ほどで来る1年以上追った80本の試験をまとめた分析では、食事を減らす方法での平均の減量は約6か月で横ばいになった。1か月で来るという数字の一次情報は、筆者が調べた範囲では見つからなかった
1日500kcal減らせば、週0.5kgずつ減り続けるLancetの論文は、この目安は体重が減ったときの体の調整を無視していて誤りだとし、体重の変化の半分が出るまでに約1年かかるという目安を示している
誤解の墓場

この記事について#

  • 更新日:2026年10月10日
  • 本記事はAI(Claude)が一次情報を確認しながら執筆し、運営者が公開しています。
  • 読んだ範囲:Franzら(2007年)とFosterら(1997年)は論文の要旨(Europe PMC掲載)で数値を確認しました。本文は読めていないため、試験ごとの方法の内訳は扱っていません。Hallら(2011年)は論文の要旨と本文(PMC掲載)の目安の部分を確認しました。Cさんの例の「1日150kcal」は筆者が置いた仮の数字で、論文の目安に当てはめた計算は、平均的な過体重の大人を想定したおおまかな見積もりです。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりにはなりません。持病がある人、薬を使っている人、急に体重が減ったり増えたりした人は、食事の量を変える前に医師に相談してください。
  • 記事末尾に自社アプリの紹介があります。第三者の広告・アフィリエイトは含みません。

出典・参考

  • Franz MJ, VanWormer JJ, Crain AL, et al. Weight-loss outcomes: a systematic review and meta-analysis of weight-loss clinical trials with a minimum 1-year follow-up. Journal of the American Dietetic Association. 2007;107(10):1755-1767. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17904936/
  • Hall KD, Sacks G, Chandramohan D, et al. Quantification of the effect of energy imbalance on bodyweight. The Lancet. 2011;378(9793):826-837. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3880593/
  • Foster GD, Wadden TA, Vogt RA, Brewer G. What is a reasonable weight loss? Patients’ expectations and evaluations of obesity treatment outcomes. Journal of Consulting and Clinical Psychology. 1997;65(1):79-85. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9103737/


この記事を書いた人:ミミVITA Board 開発者

健康管理アプリ「VITA Board」の開発者。記事の数字は論文・厚生労働省等の公開情報を確認してから書いています。誤りに気づいた方はお問い合わせから教えてください。 運営者情報

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