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手袋の箱の裏、じっくり読んだことある? 小さい字がびっしりで、こーぎーは見ただけで目がしょぼしょぼだよ。今日は飼い主が、あの字のどこを読めばいいかを書くね。
この記事は、2026年10月30日に厚生労働省とPMDAの資料を開いて読み、その範囲で書いています。PMDAは医薬品医療機器総合機構の略で、薬や医療機器の安全を見ている公的な機関です。
手袋の箱の裏、最後に読んだのはいつでしたか?
おむつ交換のたびに1枚、外したらまた手洗い。厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き 第3版」を開くと、手袋やエプロンは1ケアごとに取り替える、とあります。1日に何度も肌に触れる物なのに、箱の中身の表示まで読む時間は、なかなか取れません。
同じ手引きの手袋の注意事項には、こんな一文があります。
この記事の内容
選ぶときには手袋の材質やパウダーの有無等の確認が必要です。
材質の欄に何と書いてあれば、何が分かるのか。粉はなぜ気にするのか。介護医療院で働く現役ケアマネの飼い主として、私は「自分で買う前に、まず今の手袋の箱を読む」を先にすすめます。今の材質を知らないまま買い替えると、同じ材質をまた選んでしまうことがあるからです。
材質の欄は、まず天然ゴムかどうかを見る#
医療用の手袋には、国が決めた呼び名があります。大きく「天然ゴム製」と「非天然ゴム製」に分かれます。2016年に厚生労働省が出した通知も、この分け方です。対象の手袋を「天然ゴム製検査・検診用手袋」「非天然ゴム製検査・検診用手袋」のように並べています。
医療機器には、添付文書と呼ばれる公式の説明書があります。天然ゴムの手袋の説明書には、はっきり注意が書いてあります。例として、PMDAに載っている天然ゴムラテックス製の手袋の説明書を読みました。天然ゴムは、かゆみ、発疹、じんましん、むくみ、呼吸困難、ショックなどのアレルギー症状を、まれに起こすことがある。そう書かれています。
もう1つ、気になる一文があります。天然ゴムと接触する機会の多い人は、天然ゴムアレルギーになりやすい「ハイリスクグループ」と考えられる、という注意です。1ケアごとに手袋を替える介護の仕事は、触れる機会が多い側に入ると私は考えています。
箱の表示と、国の呼び名の対応#
| 箱や商品ページの表示の例 | 国の呼び名 | PMDAの説明書にあった注意 |
|---|---|---|
| 天然ゴム、天然ゴムラテックス | 天然ゴム製 | 天然ゴムによるアレルギー症状がまれに起きる。触れる機会の多い人はハイリスク |
| ニトリル、ニトリルゴム、合成ゴム | 非天然ゴム製 | 加硫促進剤などの添加剤によるかぶれが起きることがある |
表の右の列は、PMDAに載っている手袋の説明書2つから写したものです。すべての商品に同じことが書かれているとは限りません。
ビニールなど、ほかの材料の手袋もあります。今回開いた資料には、ビニール手袋の注意は載っていませんでした。ここは調べきれなかったので、この記事では比べません。
ニトリルなら安心、とまでは言い切れない#
楽天市場の商品ページでは、ニトリル手袋に「ラテックスアレルギーの心配がない」と書いている店があります。今回の候補の1つ目も、店の記載はそうなっています。
ただ、PMDAに載っているニトリル手袋の説明書には、別の注意があります。2022年9月に改訂されたJMSニトリルグローブの説明書は、材料の表に「加硫促進剤 あり」と書いています。そのうえで、手袋に含まれる化学物質によって、アレルギー性接触皮膚炎、つまりかぶれが起きることがある、としています。原因は主に加硫促進剤などの添加剤です。体質によっては、かゆみや発疹が出るおそれがある、とも書かれています。
ここ、見落としがち。
加硫促進剤は、ゴム製品の説明書に「添加剤」として名前が出てくる物です。説明書では、このかぶれは「IV型・遅延型」と分類されています。遅延型は、触ってすぐではなく、時間がたってから出るタイプという意味です。
天然ゴムが合わない人にとって、ニトリルは候補になります。でも、ニトリルなら誰でもかぶれない、とは資料からは言えません。
かぶれの原因が手袋なのか、手洗いの回数なのか、別の物なのか。自分で見分けるのは難しいと思います。赤み、かゆみ、痛みが続くときは、手袋を替える前に皮膚科で相談してください。手引きの手洗いの注意点にも、手荒れがひどい場合は皮膚科医などの専門家に相談する、とあります。
医療用の手袋は、粉なしへの切り替えが求められてきた#
パウダーは、手袋に付いている粉のことです。厚生労働省の通知では、コーンスターチなどの粉とされています。
2016年12月27日、厚生労働省は「パウダー付き医療用手袋に関する取扱いについて」という通知を出しました。きっかけは、アメリカの食品医薬品局が、パウダー付きの医療用手袋の流通を差し止めると発表したことです。通知は、国内でも平成30年末、つまり2018年の終わりまでに、粉の付いていない手袋へ供給を切り替えるよう求めました。
通知には、天然ゴム製の手袋について、こう書かれています。手袋に付いている粉は、天然ゴムタンパクのアレルゲン、つまりアレルギーのもとを運ぶ役になる。そのため、まれにアレルギーを誘発する可能性がある。ほかに、手術の場面でのリスクも書かれていますが、介護の仕事からは少し遠い話なので、ここでは省きます。
気をつけたいのは、この通知の対象です。並んでいるのは、手術用・検査用・歯科用といった医療用の手袋だけでした。食品用や作業用として売られている手袋は、対象の一覧に入っていません。だから、ネットで買うときは「パウダーフリー」「粉なし」の表示を、自分の目で見ておくのが確実です。
サイズと職場の決まりは、カートに入れる前に#
サイズの表記は、店によって違います。SSからLLまで並ぶ商品もあれば、商品説明にサイズの記載が見当たらない商品もあります。今回の候補の2つ目がそうでした。今の職場の手袋で、自分に合っているサイズを箱で見ておくと、選ぶときに迷いません。
もう1つは職場の決まりです。手袋は、体液や排泄物に触れるケアで使う防護具なので、職場で種類が決まっていることがあります。決められた手袋があるときは、それに従ってください。合わないと感じたら、自分で買う前に職場に相談するのが先だと思います。切り出し方の例を置いておきます。
- 材質で荒れている気がするとき、「今の手袋の箱を見たら、材質がニトリルでした。手荒れが続いているので、別の材質の手袋を使ってもいいか相談させてください」
- 皮膚科で手袋の話が出たとき、「皮膚科で、手袋の材質を見直すよう言われました。職場の手袋を替えられるか、自分で用意していいかを教えてください」
手袋を替えても、手洗いは減らせません。手引きは、してはいけないことの1つとして、こう挙げています。「手袋を着用したからという理由で、手洗いや手指消毒を省略したり簡略にすませたりすること」。手袋を外したときは、原則、液体石けんと流水で手を洗う、とも書かれています。
箱を読むときのチェック#
チェックはこの端末に保存されます。印刷して現場に貼る場合はそのまま印刷してください。
お金の話: 介護保険の対象ではありません#
ここで紹介する商品は、介護保険の対象ではありません。仕事で使う物なので、自分で払う前に、職場で用意してもらえるかを一度聞いてみてください。
楽天市場の候補2つ(2026年10月30日時点)#
感染対策や排泄介助に使う手袋は、職場の指定がいちばん先です。医療機器として届け出ている商品かどうかは、この記事では調べていないので、商品ページか店で確かめてください。
楽天市場の商品検索で「使い捨て手袋 パウダーフリー ニトリル」などの言葉を使いました。そこから、レビュー評価が4.0以上、レビューが30件以上の商品を機械で絞っています。絞り込みの条件は、この記事を作った側で決めたものです。同じ店の同じ商品で、枚数だけが違う物が重なっていたので、1つにまとめて2つ残しました。検索の言葉に「ニトリル」「パウダーフリー」を入れたので、2つとも、商品名や商品説明にニトリル(合成ゴム)と粉なしの記載がある商品です。
私が使った結果ではありません。商品ページを読んで、店の記載をまとめたものです。
| 候補 | 店 | 材質 | パウダー | サイズ | レビュー |
|---|---|---|---|---|---|
| 1つ目 ニトリル手袋 100枚入りから枚数違いあり | TRINITY COSME. | ニトリルゴム(合成ゴム)と記載 | 商品名に「パウダーフリー」「粉なし」と記載 | 商品名にSSからLLと記載 | 4.71・1555件 |
| 2つ目 IGブランド ニトリルグローブ プレミオ 300枚入り | Sunmine | 合成ゴムと記載、商品名にニトリル | 商品名に「パウダーフリー」「粉無し」と記載 | 記載なし | 4.65・541件 |
1つ目は、店の記載では左右どちらの手にも使える薄手で、色は白と青です。製造国は中国と書かれています。サイズの表記があるので、今の手袋のサイズが分かっている人は選びやすいと思います。店の注意書きには、体質によってはかゆみ・かぶれ・発疹が起きることがある、とあります。異常を感じたら使うのをやめて医師に相談する、とも書かれています。
2つ目は、店の記載では薄手のニトリルグローブで、色はディープブルー、製造国はマレーシアです。サイズは商品説明に書かれていなかったので、買う前に商品ページの選択肢を見てください。商品名には「医療用」の言葉が入っていますが、医療機器としての届出があるかどうかは、この記事では調べていません。こちらの注意書きにも、体質によってはかぶれ・かゆみ・発疹が起きることがある、と書かれています。
どちらも、店の記載はニトリルの粉なしです。前の章で書いたとおり、ニトリルでもかぶれが起きることはあります。新しい手袋に替えて赤みやかゆみが出たら、無理に使い切らないでください。
星の数で決めない理由#
2つの評価は4.71と4.65で、差は0.06しかありません。レビューの件数は多いほうが目立ちますが、件数の多さと自分の肌に合うことは別の話です。星やレビューの数は、参考程度にしてください。
価格を載せていない理由#
価格・在庫・送料は、楽天市場の各商品ページで確認してください。価格を載せていないのには、理由があります。楽天ウェブサービスの公式ヘルプに、価格を表示するなら少なくとも1週間に1回は取り直して表示し直す、とあるためです。更新し続けられない記事には、載せない方針にしています。
よくある質問#
ニトリル手袋なら、かぶれませんか?
言い切れません。PMDAに載っているニトリル手袋の説明書にも、加硫促進剤などの添加剤によるかぶれの注意があります。赤みやかゆみが続くときは、皮膚科で相談してください。
パウダー付きの手袋は、もう売っていないのですか?
2016年の通知で切り替えを求められたのは、医療用の手袋です。食品用や作業用の手袋は通知の対象に入っていないので、商品ごとに「パウダーフリー」「粉なし」の表示を見てください。
手袋をしていれば、手洗いは減らしてもいいですか?
減らせません。手引きは、手袋を着けたからという理由で手洗いや手指消毒を省くことを、してはいけないこととしています。手袋を外したら、原則、液体石けんと流水で洗います。
職場の手袋が合わないとき、自分で買っていいですか?
先に職場に相談してください。決められた手袋があるときは、それに従います。皮膚科で手袋の話が出たなら、そのことも一緒に伝えると話が早いと思います。
出典#
- 厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版」(令和5年9月) 手袋の着用と交換(PDF29から30ページ・冊子26から27ページ)、手洗いの注意点(PDF27ページ・冊子24ページ): https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001149870.pdf
- 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課長・安全対策課長「パウダー付き医療用手袋に関する取扱いについて」(平成28年12月27日 薬生機審発1227第1号・薬生安発1227第1号、PMDA掲載): https://www.pmda.go.jp/files/000215576.pdf
- PMDA 添付文書「JMSニトリルグローブ」(非天然ゴム製検査・検診用手袋、2022年9月改訂 第3版): https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/530360_34B1X00001000090_A_01_03
- PMDA 添付文書「セコンドスキン ラテックス手袋 パウダーフリー」(天然ゴム製検査・検診用手袋、2021年10月22日 第2版): https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/170551_28B3X00001000048_L_03_02
- 楽天ウェブサービス ヘルプ「各APIから取得したデータを表示する場合、どのくらいの頻度で更新する必要がありますか?」(価格は週1回以上更新): https://webservice.faq.rakuten.net/hc/ja/articles/900001974343
- 商品の仕様とレビューは、各商品の楽天市場のページ(2026年10月30日に楽天ウェブサービスで取得)
- 次の勤務で、今の手袋の箱を1回だけひっくり返して、材質の欄を読んでみてください。
- 箱の裏、1行だけでも読めたら上出来だよ。こーぎーは肉球だから手袋いらないけど、みんなの手のことは気になってるからね。
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