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「ベジファーストで痩せる」と3週間続けて体重が変わらなかった人へ。食べる順番の研究が測っていたのは体重ではなかった

約7分で読めます 更新栄養誤解
この記事の要点

VITA Boardは筆者が運営するアプリです。

この記事では、よくあるつまずき方を1人の人物にまとめた架空のケースから始める。実在の人ではないが、「食べる順番」を試した人の多くが通りそうな道筋にしてある。

この記事の内容

Bさんの3週間(架空のケース)#

Bさんは30代後半、事務職。健康診断で体重を指摘され、ネットで見た「ベジファーストで痩せる」を試すことにした。

  • 1日目:昼のコンビニ弁当。付け合わせのキャベツを3口食べてから、ご飯に箸をつけた。
  • 3日目:夕食でサラダを先に。ただ、お腹が空いていて、サラダを2口食べたらすぐご飯とおかずを交互に食べていた。
  • 7日目:体重は始める前とほぼ同じ。「まだ1週間だし」と続ける。
  • 14日目:外食の定食で、小鉢から食べる。食べる量は前と変わらず、ご飯はおかわりした。
  • 21日目:体重はやはりほぼ同じ。「順番を変えても意味がなかった」と思い、やめた。

Bさんの「意味がなかった」は、半分当たっていて、半分は研究の中身とずれている。順番に見ていく。

研究が測っていたのは「食後の血糖値の上がり方」#

食べる順番の研究として、日本でよく紹介されるのが京都の今井らの試験(2013年、Diabetic Medicine誌)だ。

項目内容
対象2型糖尿病の人19人(平均65.5歳)と、血糖値が正常な人21人(平均29.8歳)
比べたもの「野菜を先、炭水化物を後」と「炭水化物を先、野菜を後」の2通り(順番を入れ替える交差試験)
食べ方野菜を5分かけて食べ、次に主菜、野菜と炭水化物(ご飯やパン)の間は10分あける
測ったもの持続血糖測定器で72時間、血糖値を連続して測定
正常な人の結果食後に血糖値が上がった幅の平均:野菜が先で1.56mmol/L(約28mg/dL)、炭水化物が先で2.50mmol/L(約45mg/dL)
糖尿病の人の結果同じく、野菜が先で2.99mmol/L(約54mg/dL)、炭水化物が先で5.50mmol/L(約99mg/dL)
研究が測っていたのは「食後の血糖値の上がり方」

mg/dLへの換算は、mmol/Lの値に18を掛けた筆者の概算だ。

この試験が示したのは、食後に血糖値がどれだけ跳ね上がるかの違いだ。体重は測っていない。そして、比べた期間は数日間だけだった。

米国の研究も見ておく。

研究対象食べ方結果
Shuklaら(2015年、Diabetes Care誌)薬(メトホルミン)を飲んでいる2型糖尿病の11人同じ628kcalの食事(チャバタというパンとオレンジジュース/鶏むね肉、サラダ、蒸しブロッコリー)を、順番だけ変えて1週間あけて2回。前半と後半の間は15分野菜とたんぱく質が先のとき、血糖値は30分後に28.6%、60分後に36.7%、120分後に16.8%低かった
Shuklaら(2019年、Diabetes, Obesity and Metabolism誌)糖尿病予備群の15人同じ食事を3通りの順番で。「炭水化物が先」「たんぱく質と野菜が先」の条件では、前半と後半の間を10分あけた(「野菜が先」の条件は、要旨に間隔の記載なし)炭水化物を最初に食べなかった2通り(たんぱく質と野菜が先/野菜が先)で、血糖値の上がり方のピークが、炭水化物が先の場合より40%以上低かった
研究が測っていたのは「食後の血糖値の上がり方」

3つの研究に共通するのは、次の3点だ。

  1. 測ったのは食後2〜3時間ほどの血糖値で、体重ではない。
  2. 対象の多くは糖尿病か予備群の人。今井らの試験には血糖値が正常な人も入っていたが、上がり幅はもともと小さかった。
  3. 多くの条件で、先に食べる側と炭水化物の間を10〜15分あけていた。

筆者が今回調べた範囲では、「食べる順番を変えただけで体重が減った」ことを示した試験は見つけられなかった。食べる量が同じなら、口に入るカロリーは順番を変えても同じだ。

Bさんのどこがずれていたか#

研究の条件とBさんのやり方を並べると、ずれがはっきりする。

項目研究の条件Bさん
期待した効果食後の血糖値の上がり方体重が減ること
先に食べる量1品を5分ほどかけて食べる(今井ら)、サラダ・蒸しブロッコリー・鶏むね肉(Shuklaら)キャベツ3口、サラダ2口
炭水化物までの間多くの条件で10〜15分ほぼ0分(すぐ交互に)
食べる量どの順番でも同じ食事変わらず、おかわりあり
確かめ方血糖値を測った体重計だけ
Bさんのどこがずれていたか

Bさんは、研究で確かめられていない効果(体重)を、研究とは違うやり方(ほぼ間をあけない)で、測っていない物差し(血糖値ではなく体重)で確かめていた。「意味がなかった」と感じたのは無理もない。

一方で、Bさんのやり方がまったくの無駄だったかというと、それもわからない。数口でも野菜を先に食べたときに血糖値の上がり方がどうなるかは、今回の研究の条件からは言えない。測っていないものは、あるともないとも言えない。

野菜を先に食べる前に、そもそも野菜が足りているか#

順番の話をする前に、量の話がある。

農林水産省関東農政局のまとめによると、令和6年国民健康・栄養調査で、成人の1日あたりの野菜摂取量の平均は258.7gだった。健康日本21(第三次)の目標は350g以上で、目標の74%程度にとどまっている。20〜40代で特に少ない。

Bさんのコンビニ弁当の付け合わせのキャベツは、量としてはわずかだ。「先に食べる野菜」がそもそもほとんど無い食事では、順番を工夫する余地も小さい。

誤解の墓場#

誤解実際は
ベジファーストで痩せる今回確認した3つの試験はどれも、食後2〜3時間の血糖値を測ったもので、体重は測っていない。順番だけで体重が減ったと示した試験は、筆者の調べた範囲では見つからなかった
野菜をひと口先に食べればいい試験の多くの条件では、野菜(とおかず)を先に食べてから炭水化物まで10〜15分あけていた。ひと口だけ・間をあけない食べ方で同じ結果になるかは、確かめられていない
誤解の墓場

もしBさんがやり直すなら#

つまずき研究からの手がかり変え方
体重が減らないのでやめた研究が示したのは血糖値の上がり方で、体重ではない「順番で痩せる」期待は外す。体重を変えたいなら、順番とは別に食べる量を見直す
2〜3口ですぐご飯試験の多くの条件で10〜15分あけていた野菜とおかずを先に食べ切り、ご飯は食事の最後に回す。10分きっちりでなくても、「ご飯を最後にする」だけなら外食でもできる(ここは筆者の提案で、短い間隔で試した研究は確認できていない)
野菜が少ない国の平均は258.7g、目標は350g以上1食に1品、野菜の小鉢か汁物の具を足す
もしBさんがやり直すなら

今日からできる2つの行動#

先に注意書きを置いておく。糖尿病で薬を使っている人は、食べる順番や食事の内容を変える前に主治医に相談してほしい。血糖値を下げる薬を使っていると、食事の変え方によっては血糖値が下がりすぎることもあるためだ。この記事は病気の治療法を示すものではない。

  1. 今日の夕食で、ご飯(パン・麺)を最後の一品にする。 野菜とおかずを先に食べ終えてから、ご飯に移る。定食なら、小鉢と主菜を先に片付けて、ご飯と味噌汁は最後。研究の条件に近づけたいなら、おかずを食べ終えてから少し間を置く。
  2. 1週間、夕食の野菜が「あった/少し/なし」を1行メモする。 順番より先に、先に食べる野菜があるかどうかを確かめる。「なし」の日が多ければ、順番の工夫より野菜を1品足すほうが先になる。

アプリで続ける#

VITA Boardでは、食事を記録すると、その日の「野菜○品」が自動で数えられて食事記録の画面に表示される。1日ずつさかのぼれば、上の「あった/少し/なし」のメモを、記録した品数で確かめられる。1日記録を忘れても、連続記録が2日以上続いていれば、毎週配られる「おやすみ券」が自動で使われて連続記録は途切れない(券は最大2枚まで持てる)。→ VITA Boardを試す

この記事について#

  • 更新日:2026年10月8日
  • 本記事はAI(Claude)が一次情報を確認しながら執筆し、運営者が公開しています。冒頭のBさんは、よくあるつまずき方をまとめた架空の人物です。
  • 読んだ範囲:今井ら(2013)とShuklaら(2015)はPubMed Centralの論文本文で、方法と結果の数値を確認しました。Shuklaら(2019)は論文の要旨のみ確認しました。今井らには2年半の長期研究(2011年)もありますが、今回は読めておらず、この記事では扱っていません。野菜摂取量は、令和6年国民健康・栄養調査の数値を紹介している農林水産省関東農政局のページで確認し、厚生労働省の報告書本体の表までは照合していません。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりにはなりません。食べる順番による体重や病気への効果を示すものではありません。
  • 記事末尾に自社アプリの紹介があります。第三者の広告・アフィリエイトは含みません。

出典・参考


この記事を書いた人:ミミVITA Board 開発者

健康管理アプリ「VITA Board」の開発者。記事の数字は論文・厚生労働省等の公開情報を確認してから書いています。誤りに気づいた方はお問い合わせから教えてください。 運営者情報

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