本文へ移動

介護の転職サイト比較|現役ケアマネが見る選び方7基準と手順

約8分で読めます2026-09-19 更新働き方
この記事の要点

結論から書きます。介護の転職サイトは「どれが一番か」を探すより、性質の違う経路を3つ同時に使う方が早く決まります。求人サイト、人材紹介、福祉人材センター。この3つは費用を払う人が違い、出てくる求人も担当者の動き方も変わります。2026-09-19時点の制度で、現役の施設ケアマネが実際に見ている7つの基準と、担当者に送る文例まで並べます。

この記事の内容

介護の転職サイトは4経路|手数料の出どころで出る求人が変わる#

結論

結論。どのサイトが良いかより先に、その経路で誰がお金を払っているかを見てください。お金の流れが分かると、なぜその求人を勧められているかが読めます。

経路あなたの費用施設の費用向く人
求人サイト無料掲載料自分で調べて動ける人
人材紹介無料成功報酬在職中で時間がない人
福祉人材センター無料無料地元で長く働きたい人
ハローワーク無料無料求人を広く見たい人
介護の転職サイトは4経路|手数料の出どころで出る求人が変わる

あなたが払う費用はどれもゼロです。職業安定法により、求職者から手数料を取ることは原則として禁じられています(2026-09-19時点)。無料なのは各社の善意ではなく、法律の建て付けです。ここを誤解すると「無料だから遠慮して言えない」という妙な気の使い方が始まります。

人材紹介だけが成功報酬で動く#

人材紹介は、あなたが入職して初めて施設から紹介手数料が入ります。だから連絡が速く、面接の日程調整も代わりにやってくれます。逆に、決まらなければ1円にもなりません。強みと弱みは同じ場所から出ています。手数料の率は事業者ごとに違い、厚生労働省の人材サービス総合サイトで届出内容を誰でも確認できます。

福祉人材センターは新着が薄い日がある#

福祉人材センターは都道府県の社会福祉協議会が運営する無料の職業紹介です。施設側の費用もゼロなので、紹介手数料を払えない小規模な法人の求人が出ます。地域密着の事業所を探すならここが強い。ただし更新の頻度は紹介会社ほどではなく、毎日見ても新着がない週があります。

在職中で、日程調整や条件交渉まで任せたい人は、紹介型を1〜2社だけ併用すると消耗が減ります。

現役ケアマネが先に見る7基準|求人票より公開データが先#

なぜ求人票を後回しにするのか#

求人票は、施設が採用したい人に向けて書いた広告です。嘘ではなくても、順番は書き手に有利に並んでいます。一方、処遇改善加算の区分や紹介事業者の離職率は、行政に届け出て公開されている数字です。相手が並べ替えられない情報から見る。これがこの順番の理由です。

私は施設のケアマネとして、入ってくる職員と辞めていく職員の両方を見てきました。早期に辞める人の言葉はほぼ「思っていた仕事と違った」に集約されます。ずれの正体は、求人票に書いていない部分にあります。だから先に、書かないと決められない場所を見ます。

現役ケアマネが先に見る7基準|求人票より公開データが先0 / 7

チェックはこの端末に保存されます。印刷して現場に貼る場合はそのまま印刷してください。

加算の区分は給料の原資そのもの#

2024年6月から処遇改善の加算は介護職員等処遇改善加算に一本化されました。さらに2026年6月の改定で対象が介護従事者に広がり、区分はⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6段階になっています(2026-09-20時点)。上位区分ほど要件が厳しく、事業所に入る原資も大きくなります。区分は都道府県や市町村が公開する体制等状況一覧表で確認できます。求人票の「処遇改善手当あり」という一行だけでは、いくら分配されるかは分かりません。

変更の範囲は2024年4月から明示が必要#

2024年4月以降、求人票と労働条件の明示には、就業場所と業務の「変更の範囲」を含めることが必要になりました。法人内に通所と入所の両方があるなら、異動の可能性はここに出ます。デイサービスで応募したはずが入所フロアへ、という話は珍しくありません。関連記事の「ブラック施設の見分け方7つ」も、同じく公開データから見る方法で書いています。

転職サイトの使い方7ステップ|登録から内定までの回し方#

  1. 譲れない条件を3つだけ決める。夜勤は月4回まで、通勤30分以内、手取り◯万円、のように数字で書く。
  2. 経路を3つ同時に開く。求人サイト1つ、人材紹介1〜2社、福祉人材センターかハローワーク1つ。1社専任にしない。
  3. 紹介会社との初回の電話で、決めた3条件を先に読み上げる。相手の提案から会話を始めない。
  4. 出てきた求人を加算区分と人員配置で並べ替える。月給の額面では並べない。
  5. 上位3件に見学を申し込む。見学は面接の前に入れる。順番が逆だと断りにくくなる。
  6. 内定が出たら、回答期限を書面かメールでもらう。口頭の「今週中に」は受けない。
  7. 辞退する先にも自分で一度連絡する。介護は地域が狭く、数年後に同じ相手と仕事をします。
ここは間違えやすい

注意。手順2で登録社数を増やしすぎると、同じ施設に複数社から応募が入る重複応募が起き、選考そのものが止まります。紹介会社は2社までにして、応募した施設名は自分で一覧にしてください。

見学の当日に何を見るかは、関連記事の「介護施設の見学チェックリスト30項目と質問12本」に手順化してあります。

担当者に送る文例5本|条件をずらされないための一言#

先週の火曜、15時すぎに職員から「エージェントに勧められるまま面接して、夜勤回数を聞き忘れた」と相談を受けました。聞き忘れではなく、聞く型を持っていないだけです。そのまま使える文を置きます。

担当者に送る文例5本|条件をずらされないための一言5本
  1. 条件を最初に固定するお世話になります。希望条件は次の3点です。①夜勤は月4回まで ②通勤30分以内 ③手取り◯万円以上。この3点を満たす求人だけを送っていただけますか。順番も、上から譲れない順です。
  2. 希望と違う求人が続いたときご提案ありがとうございます。いただいた3件は夜勤が月6回で、最初にお伝えした条件から外れています。条件に合うものだけに絞ってお送りいただけますか。件数が少なくても構いません。
  3. 見学を先に入れたいとき応募の前に、日中の時間帯で見学をお願いできますか。実際のフロアの動きを見てから応募を判断したいです。面接と同日でも構いません。
  4. 回答期限をもらうとき内定のご連絡ありがとうございます。家族とも相談したいので、回答の期限を日付でメールにいただけますか。期限までに必ずご返事します。
  5. 辞退を伝えるとき今回は辞退させてください。他社経由で、通勤時間の条件に合う事業所から内定をいただきました。日程の調整までしていただいたのに申し訳ありません。ありがとうございました。

面接での聞き方も、一語変えるだけで答えの精度が変わります。

ビフォー

夜勤は月に何回くらいですか。

アフター

直近3か月の実績で、常勤1人あたりの夜勤は月何回でしたか。1人夜勤になる日はありますか。

つまずきやすい注意点4つ|お祝い金・重複応募・見学なし内定・退職日#

  1. 転職お祝い金をうたう勧誘。職業紹介事業者が金銭を提供して応募を勧めることは、2021年4月から指針で禁止されています。出している事業者は基本ルールの外にいます。
  2. 重複応募。同じ施設に2社から応募が入ると、施設はどちらに手数料を払うか決められず、選考が止まることがあります。応募先の一覧は自分で管理してください。
  3. 見学なしの即日内定。人手が足りない現場ほど早く決めたがります。急かされた分だけ、入職後のずれが大きくなります。見学を断る理由が説明されない事業所は、そこで一度止めてよい場所です。
  4. 退職日の逆算。期間の定めのない雇用なら民法上は申し出から2週間ですが、就業規則で1か月前などと定めている職場もあります。自分の就業規則を先に読んでから、入職希望日を答えてください。

よくある質問#

転職サイトの利用料は本当に無料ですか。

介護職の場合は無料です。職業安定法で求職者からの手数料徴収は原則として禁じられており、一部の専門職を除いて例外はありません(2026-09-19時点)。登録や紹介の段階で費用を求められたら、その場で理由を確認してください。

何社に登録するのが適切ですか。

人材紹介は2社までを目安にしてください。多いほど求人が増えるわけではなく、同じ施設に重複応募が起きる確率だけが上がります。求人サイトや福祉人材センターは数に制限を設ける必要はありません。

エージェントの当たり外れはどこで分かりますか。

厚生労働省の人材サービス総合サイトで、その事業者の手数料、返戻金制度、就職者数、無期雇用で就職した人のうち6か月以内に離職した人数が公開されています。医療・介護・保育分野の適正認定を受けているかも一つの目安になります。

在職中でも進められますか。

進められます。見学と面接の日程調整を代行してもらえる点が紹介型の利点です。夜勤明けの時間帯を避けたい、といった事情は初回の連絡で先に伝えておくと、後から日程を押し込まれにくくなります。

給料が一番高い求人を選べばよいのではないですか。

額面だけで並べると、夜勤回数や手当の内訳の差が見えません。同じ月給でも、夜勤が月6回と月2回では時給換算がまるで違います。加算の区分と夜勤回数を確認してから比べてください。

体調や持病がある場合、どこまで伝えるべきですか。

勤務の可否に関わる内容は、面接の場で事実として伝えてください。就業制限や業務内容の可否については、自己判断せず主治医やかかりつけ医に確認し、医師の指示を前提に相談するのが安全です。

まとめ#

  • 介護の転職サイトは4経路。あなたの費用はどれも無料で、違うのは施設側の費用構造
  • 1社専任にせず、求人サイト・人材紹介1〜2社・福祉人材センターを同時に回す
  • 求人票より先に、加算区分・人員配置・紹介会社の離職率という公開データを見る
  • 夜勤回数は「直近3か月の実績で1人あたり何回か」と数字で聞く
  • 見学は面接の前。内定の回答期限は必ず日付でもらう

次の一歩は1つだけです。今日のうちに、譲れない条件を3つ紙に書いてください。数字にしておけば、担当者との最初の電話でそのまま読み上げられます。

出典#

出典・参考
  • 厚生労働省「職業安定法」(求職者からの手数料の原則禁止、求人等に関する情報の的確な表示、労働条件等の明示)2026年9月確認
  • 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(職業紹介事業者の手数料・返戻金制度・就職者数・無期雇用就職者の離職者数の公表)2026年9月確認
  • 厚生労働省「職業紹介事業者等が講ずべき措置に関する指針」(2021年4月1日適用。金銭等の提供による求職の申込みの勧奨の禁止)
  • 厚生労働省「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」(介護職員等処遇改善加算への一本化)
  • 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要(介護職員等処遇改善加算の拡充)」(2026年。対象の拡大、区分Ⅰイ〜Ⅳの6区分) https://www.mhlw.go.jp/shogu-kaizen/download/5_R8_houshuu_kaitei.pdf
  • 厚生労働省「2024年4月からの労働条件明示のルール変更」(就業場所・業務の変更の範囲の明示)
  • 社会福祉法 第93条(福祉人材センターの指定)および各都道府県福祉人材センター
  • 公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」


この記事を書いた人:ミミ介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護施設で生活相談員・ケアマネジャーとして勤務。現場の職員研修と介護現場でのAI活用の推進に携わっています。記事の数字・制度は一次資料の原文を開いて確認してから書いています。誤りに気づいた方はお問い合わせから教えてください。 運営者情報

この記事の「型」を、現場でそのまま使う。

noteでは、記事で扱ったテーマの文例・チェックリスト・早見表を、印刷して申し送りや研修に使える形で配布しています。看取り・ACPの入門記事は無料です。

noteを見る