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処遇改善加算はいくら?加算率早見表と確認法【2026年6月】

約14分で読めます2026-11-01 更新スキル育成
こーぎーから

ニュースの「月1.9万円アップ」、自分の明細と見比べてみた? こーぎーは数字が出てくると耳がぴんと立つんだ。今日は飼い主に、その1.9万円の中身をほどいてもらうよ。

月1.9万円は、職員一人ひとりに必ず配られる金額ではありません。厚生労働省の資料で内訳を見ると、1.9万円は足し算でできています。介護従事者全体への1.0万円。生産性向上に取り組む事業者の介護職員への上乗せ0.7万円。そして定期昇給の0.2万円です。定期昇給は加算から出るお金ではありません。なので、加算が増える分は差し引き1.7万円という計算になります。そのお金が自分の給与にいくら回るかは、施設のサービス種別、加算の区分、配り方の方針で決まります。

持ち帰れるもの:サービス別の加算率一覧、施設に聞く項目を並べた自己確認シート、そのまま言える聞き方の文例4本。

数字の出どころ:下の出典にある厚生労働省の資料と通知です。最初にまとめたのは2026年7月5日、文章を書き直したのは2026年11月1日です。

読まなくていい人:自分の施設の加算区分と配り方を、毎年きちんと説明してもらえている人。

この記事の内容

まず言葉を2つだけ:処遇改善加算と加算率#

介護職員等処遇改善加算は、介護報酬に上乗せして事業所に払われるお金です。使い道は、職員の賃金を上げることと決められています。国が職員の口座へ直接振り込むわけではありません。

流れは2段階です。国から事業所へ。事業所から職員へ。この2段目の配り方には、事業所が決められる部分が残っています。

加算率は、事業所が受け取る加算の大きさを決める「掛け算の率」です。厚生労働省の資料には「介護職員等処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に上記の加算率を乗じる」と書かれています。

かみくだくと、こうです。事業所が1か月に得た介護報酬の合計に、決まった率を掛ける。その金額が加算として上乗せされます。率はサービス種別と区分ごとに違います。常勤換算は、パートも含めて「常勤の人なら何人分か」に直した人数のことです。

この2つが分かると、「うちの施設はいくら受け取っているのか」を自分で見積もる入口に立てます。

「月1.9万円」は足し算でできている#

1.0万円は、介護従事者全体に広がった分#

2026年6月からの改定で、処遇改善加算の対象が「介護職員のみ」から「介護従事者」に広がりました。幅広く月1.0万円・3.3%の賃上げにつなげる措置、と資料にあります。

今まで加算の配分から外れていた職種の人には、ここが一番大きな変化です。

0.7万円は、生産性向上に取り組む事業者の上乗せ#

これに加えて、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員には、月0.7万円・2.4%の上乗せがあります。資料が挙げる取り組みは、ケアプランデータ連携システムの利用、生産性向上推進体制加算の算定、社会福祉連携推進法人への所属です。サービスによって、使えるものが違います。

この上乗せを受け取る入れ物が、新しくできた加算Ⅰロ・Ⅱロです。裏を返すと、施設がこの取り組みをしていなければ、0.7万円分は最初から職場に来ません。

残りの0.2万円は、加算とは別のお金#

厚生労働省の資料には「合計で、介護職員について最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.2万円込み)が実現する措置」と書かれています。

定期昇給は、施設の賃金表にそって毎年上がる分です。処遇改善加算から出るお金ではありません。ニュースの見出しになる1.9万円は、加算の効果と定期昇給を足した数字です。

内訳月額率対象
対象拡大による引上げ1.0万円3.3%介護従事者・介護職員以外も含む
生産性向上・協働化の上乗せ0.7万円2.4%取り組む事業者の介護職員
定期昇給0.2万円ー加算ではなく施設の賃金表による
合計・最大1.9万円6.3%上の全部が重なった場合
「月1.9万円」の内訳。合計の率6.3%は、定期昇給の分も含めた数字です
ここ、地味に大事

1.9万円は「最大」で、しかも定期昇給込みの数字です。上乗せを取っていない施設や、加算Ⅲ・Ⅳの施設では、この金額は最初から当てはまりません。「1.9万円もらえるはずですよね」と切り出すと、話がかみ合わなくなります。聞くのは金額ではなく、区分と配り方です。

サービス別の加算率一覧・2026年6月以降#

見るのは自分の職場の行だけ#

下の表は、厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」にある加算率です。2026年4月と5月は今までの区分Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ。6月からはⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6区分になりました。

表は長いけど、全部読まなくて平気です。自分のサービスの行を探して、施設の区分の列と交わるところ。そこがその事業所の加算率です。

サービス区分ⅠイⅠロⅡイⅡロⅢⅣ
訪問介護27.0%28.7%24.9%26.6%20.7%17.0%
夜間対応型訪問介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護26.7%27.8%24.6%25.7%20.4%16.7%
訪問入浴介護12.2%13.3%11.6%12.7%10.1%8.5%
通所介護11.1%12.0%10.9%11.8%9.9%8.3%
地域密着型通所介護11.7%12.7%11.5%12.5%10.5%8.9%
通所リハビリテーション10.3%11.1%10.0%10.8%8.3%7.0%
特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護14.8%15.9%14.2%15.3%13.0%10.8%
認知症対応型通所介護21.6%23.6%20.9%22.9%18.5%15.7%
小規模多機能型居宅介護17.1%18.6%16.8%18.3%15.6%12.8%
看護小規模多機能型居宅介護16.8%17.7%16.5%17.4%15.3%12.5%
認知症対応型共同生活介護21.0%22.8%20.2%22.0%17.9%14.9%
介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設・短期入所生活介護16.3%17.6%15.9%17.2%13.6%11.3%
介護老人保健施設・短期入所療養介護(老健)9.0%9.7%8.6%9.3%6.9%5.9%
介護医療院・短期入所療養介護(介護医療院・病院等)6.2%6.6%5.8%6.2%4.7%4.0%
サービス別の加算率一覧・2026年6月以降

訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援も対象に#

今まで処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援などにも、2026年6月から加算ができました。長いあいだ「加算の枠の外」にいた分野です。

新しく対象になったサービス加算率
訪問看護1.8%
訪問リハビリテーション1.5%
居宅介護支援・介護予防支援2.1%
新しく対象になったサービスの加算率・2026年6月以降

この3サービスが算定できる条件は2通りです。1つ目は、加算Ⅳに準ずる要件を満たすこと。中身はキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件です。もう1つは、令和8年度特例要件のうち、ケアプランデータ連携システムの利用か、社会福祉連携推進法人への所属のどちらかを満たすこと。申請の時点では、2026年度中に対応すると誓約すれば算定できる扱いです。

事業所に入る金額の見積もり方#

加算額は、次の式で決まります。

計算の式

事業所に入る加算額・1か月 = 処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数 × 加算率

たとえば、月の総報酬単位数が300万単位、1単位10円の地域にある特別養護老人ホームが、加算Ⅰロの17.6%を算定しているとします。加算額は月およそ528万円です。

これは事業所全体、対象の職員全員分の1か月の合計です。1人分ではありません。1単位が何円かは地域区分で変わるので、実際の額はこの例と同じになりません。

そもそも総報酬単位数は事業所側の数字で、職員が見られないことがほとんどです。個人の立場なら、金額を推計するより区分と配り方を聞くほうが早くて確実です。

読み違えやすいところ

この率を、1人あたりの賃上げ幅と読まないでください。表の率は、2026年6月の改定で上がった分と、それより前から積み上がってきた分を合わせた合計です。厚生労働省の資料でも、今回の措置は今ある加算率への「引上げ」「上乗せ」として図に描かれています。17.6%がまるごと今回増えた分ではありません。

加算Ⅰロ・Ⅱロは、ほかの区分と何が違うの?#

上乗せの条件は「令和8年度特例要件」#

新しくできたⅠロ・Ⅱロは、Ⅰイ・Ⅱイの要件に加えて、生産性向上や協働化の取り組みを満たすと算定できます。2026年度は、次のア・イ・ウのどれか1つを満たすことが条件です。

  • ア・訪問や通所のサービス等:ケアプランデータ連携システムに加入し、実績を報告する。ケアプランを紙ではなくデータでやり取りする仕組みです
  • イ・施設のサービス等:生産性向上推進体制加算ⅠかⅡを取り、実績を報告する
  • ウ:社会福祉連携推進法人に入っていること

事務の負担を考えて、加算の申請の時点では、加入や取得の誓約で算定できます。「まだ入っていないけれど、今年度中にやります」でも、申請の段階では通るということです。

区分が上がるほど増える要件#

要件ⅣⅢⅡⅠ
賃金体系等の整備・研修の実施等:キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ○○○○
加算Ⅳ相当額の2分の1以上を月額賃金で配分○○○○
職場環境の改善:職場環境等要件○○◎◎
昇給の仕組み:キャリアパス要件Ⅲー○○○
改善後賃金年額440万円:キャリアパス要件Ⅳーー○○
経験・技能のある介護職員の配置:キャリアパス要件Ⅴーーー○
生産性向上・協働化の取り組み:ロ区分の上乗せーーⅡロⅠロ
区分ごとの要件

キャリアパス要件Ⅳは、経験・技能のある介護職員のうち1人以上について、賃金改善後の見込みが年額440万円以上であることを求める要件です。

ポイントは「1人以上」というところ。これを満たす施設で働いていても、自分の年収が440万円に近づくとは限りません。

基本給は上がったのに、年収が変わらないのはなぜ?#

月額賃金改善要件は「配り方」の指定#

今の制度には、加算Ⅳ相当額の2分の1以上を、基本給か、決まって毎月払われる手当の改善に充てるという要件があります。

ボーナスでまとめて渡して終わり。そういう運用から、毎月の給料に乗せる方向へのかじ切りです。

「付け替え」が認められている#

ところが、厚生労働省の通知には続きがあります。加算を取っていなかった事業所が新しく算定を始める場合は別です。それ以外は、この要件を満たすために賃金の総額を新たに増やす必要はない、と書かれています。

通知の書き方はこうです。基本給等以外の手当や一時金で行っている賃金改善の一部を減額し、その分を基本給に付け替えることでも要件を満たす。

明細と年収のずれ

「明細は変わったのに、年収は同じ」の正体の1つはここです。処遇改善手当が減って、その分だけ基本給が上がる。月々の見え方は変わっても、1年の合計は同じ。これが制度の上ではありえます。自分の施設がそうしているとは限りません。

ちなみに、毎月払いの手当から基本給への付け替えなら、残業代は通常、増えません。一時金からの付け替えは変わる場合があるので、自分の場合は給与規程か社労士に確かめてください。残業代の計算から外せる賃金は、法律で7種類に限られています。家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金です。根拠は労働基準法37条5項と労働基準法施行規則21条。毎月同じ額で一律に払われる処遇改善の手当は、もともと残業代の計算に入っています。

賞与や退職金に響くかどうかは、事業所ごとの給与規程しだい。ここは施設ごとに違うので、外からは調べきれなかったところです。規程を見せてもらうのが近道です。いずれにせよ「基本給が上がった=今年増えた」ではない、という区別は持っておいてください。

今年増えた分は、新しく賃金を上げる必要がある#

逆に、2026年度に前の年度より増えた加算額は話が別です。新しく算定を始めた、上の区分に移った、加算率が上がった。こうして増えた分は、過去の賃金改善の実績にかかわらず、新たに賃金改善をしなければならないとされています。

そのやり方は、ベースアップが基本です。ベースアップは、賃金表を書き換えて全体の水準を一律に上げることです。

なので、聞くことは2つに分かれます。分けて聞くと、話が具体的になります。

  • 問い1:今年、事業所の加算額は増えたのか。区分が上がった、率の引上げ分が入った、などです
  • 問い2:増えたなら、その分はどこに乗ったのか。基本給、毎月の手当、一時金のどれか

もう1つ、決まりがあります。賃金改善は、基本給・手当・賞与等のうち対象の項目を決めて行うものとされています。届出をする場合を除いて、決めた項目を含めて賃金水準を下げてはならないとされています。

配分は事業所の判断で柔軟に決められます。それでも、一部の職員に集めるなど、仕事の中身や勤務の実態に見合わない、ひどく偏った配分はしないこととされています。

施設に聞く順番#

ここから先は、印刷して使える部分です。

制度の上では、算定しているかどうかと、区分で、事業所に入るお金の大きさがほぼ決まります。配り方の話はその後です。全体の大きさが分からないまま配り方だけ聞いても、それが多いのか少ないのか判断できません。

その1:加算を算定しているか#

処遇改善加算は、自動で入るものではありません。事業所が申請して、要件を満たさないと受け取れません。申請は事業所が行うので、していない事業所もありえます。

外から調べる手がかりもあります。加算Ⅰ・Ⅱ、つまりⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロを算定する事業所には、職場環境の改善の取り組みを公表することが要件になっています。

具体的には、介護サービスの情報公表制度で算定状況を報告し、取り組んだ項目と内容を「事業所の特色」欄に書くこととされています。介護サービス情報公表システムで自分の事業所を検索してみてください。この記載が見当たらなければ、上の区分ではない可能性があります。

その2:区分はどれか#

Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳのどれかで、事業所に入るお金の水準はまるで違います。前の一覧で、自分のサービスの行を見比べてください。

訪問介護なら、Ⅰロは28.7%、Ⅳは17.0%。同じ売上でも、入ってくる加算額は1.6倍以上ちがいます。

その3:自分にはどの形で乗っているか#

基本給・毎月の手当・一時金のどれで受け取っているかを見ます。明細に「処遇改善手当」の項目がなくても、基本給に組み込まれていることがあります。

前の年の同じ月の明細と並べて、基本給の額そのものを比べると気づきやすくなります。

その4:賃金改善計画書の中身を知らされているか#

通知(第8)では、加算を算定する事業者は、次の点に努めることとされています。賃金改善のやり方などを処遇改善計画書などを使って職員に知らせること。就業規則等の中身も職員に知らせること。

さらに、職員から賃金改善について問い合わせがあったら、その職員の賃金改善の中身を、書面を使うなどして分かりやすく答えることも、努める点に入っています。

「こんなこと聞いていいのかな」と迷わなくて大丈夫。職員への周知も、問い合わせへの分かりやすい回答も、事業者が努めることとして国の通知に書かれている事柄です。

処遇改善加算 自己確認シート・印刷して使えます

  • □ 1.自施設は処遇改善加算を算定しているか。調べる先は情報公表システム、運営規程、重要事項説明書、管理者
  • □ 2.区分はⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳのどれか
  • □ 3.一覧で、自分のサービスと区分が交わる加算率を書き出したか
  • □ 4.自分への反映は基本給・毎月の手当・一時金のどれか
  • □ 5.前の年の同じ月の明細と、基本給の額を並べて比べたか
  • □ 6.2026年度に加算額が増えたか。増えた分がどこに乗ったか
  • □ 7.賃金改善計画書の中身を見たこと、または説明を受けたことがあるか

そのまま言える、聞き方の文例4本#

お金のことは、言い方に迷うと先送りになりがちです。角が立ちにくい言い方にしてあります。聞きにくい時は、無理に切り出さなくて大丈夫です。文例4は、通知で事業者が努めることとされている内容に当たります。ほかの文例は通知に決まりがあるわけではないので、お願いの形で聞いてください。

文例

文例1:区分を聞く・事務か管理者へ

「処遇改善加算のことで教えてください。うちの事業所は、2026年6月からの区分でいうと、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳのどれを算定していますか」

文例2:自分への反映の形を聞く

「処遇改善加算の私の分は、基本給・毎月の手当・一時金のどの形で支給されていますか。明細のどの項目に入っているか教えていただけますか」

文例3:今年の増えた分について聞く

「2026年度の改定で加算率が上がったと聞きました。うちの加算額も増えていますか。増えている場合、その分はどこに反映されているか教えてください」

文例4:計画書の中身を聞く

「処遇改善加算の賃金改善計画書の内容を確認したいのですが、見せていただくことはできますか。職員に知らせるよう努めることが、国の通知に書かれていると聞きました」

答えてもらえない。説明と実際の支給が食い違う気がする。そんな時は、次の窓口があります。相談に行く前に、給与明細のコピーと、説明を受けた日時・内容のメモを残しておくと話が早く進みます。

困った時の相談先
  • 都道府県または市区町村の介護保険担当課:事業所を指定し、加算の算定要件を確認する立場にあります
  • 労働基準監督署:賃金の不払いにあたる疑いがある場合
  • 介護労働安定センター:雇用管理全般の相談窓口

制度のお金でいえば、利用する側の負担も2026年に動いています。施設の食費と居住費は介護施設の食費・居住費と2026年8月改定後の負担限度額早見表にまとめました。加算の読み方に慣れたいなら看取り介護加算の単位数と算定要件を早見表でまとめた記事が、単位数と要件の関係をつかむ練習になります。人員配置の基準から職場を見直したい時は夜勤は何人体制が基準かとワンオペ夜勤をまとめた記事もどうぞ。

よくある質問#

1.処遇改善加算は、全員が月1.9万円もらえますか?

いいえ。1.9万円は、対象拡大分1.0万円、生産性向上等の上乗せ0.7万円、定期昇給0.2万円を足した最大値です。定期昇給を除くと、加算が増える分は1.7万円という計算になります。実際にいくら配られるかは、事業所の区分と配り方の方針で決まります。

2.パートや非常勤でも対象になりますか?

賃金改善の対象は「介護職員その他の職員」とされていて、通知は雇用形態を指定していません。事業所の中でどう配るかは事業者の判断に任されています。自分の施設の配り方の方針を聞くのが確実です。

3.ケアマネや事務員も、もらえるようになったのですか?

2026年6月からの改定で、加算の対象が介護職員のみから介護従事者へ広がりました。居宅介護支援・介護予防支援には、加算率2.1%で加算ができています。ただ、事業所の中での配り方は事業者の判断によります。

4.うちの施設が加算を取っているか、外から調べられますか?

加算Ⅰ・Ⅱを算定する事業所は、介護サービスの情報公表制度で算定状況を報告し、職場環境等要件の取り組みを「事業所の特色」欄に書くことが要件とされています。介護サービス情報公表システムで事業所名を検索すれば見られます。

5.基本給は上がったのに年収が変わりません。これは違反ですか?

違反かどうかは給与規程と実際の支給で決まり、ここでは判断できません。ただ、それだけでは違反とは言い切れません。通知では、新しく算定を始める場合を除き、月額賃金改善要件のために賃金の総額を新たに増やす必要はないとされています。手当や一時金の一部を基本給に付け替えても要件を満たします。ただし、2026年度に増えた加算額は、新たに賃金改善をすることが求められています。次の一手は、増えた分の行き先を聞くことです。

6.加算率が高い施設に移れば、給料は上がりますか?

加算率が高いほど、事業所に入るお金は大きくなります。でも、職員への配り方は事業所ごとに違います。求人票の「処遇改善加算あり」だけでは、区分も配り方も分かりません。面接で、区分と、基本給・手当・一時金のどれで払っているかを聞いてください。

7.いつから適用されますか?

令和8年度介護報酬改定の施行は2026年6月1日です(食費の基準費用額など一部は8月1日)。処遇改善加算の拡充は、2026年6月以降の算定分が対象です。4月と5月は今までのⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの区分、6月からがⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6区分です。

最後に、要点だけ#

  • 「月1.9万円」は最大値。対象拡大1.0万円、生産性向上等の上乗せ0.7万円、定期昇給0.2万円の合計で、定期昇給を除くと加算が増える分は1.7万円。
  • 2026年6月から加算Ⅰロ・Ⅱロができた。訪問看護1.8%、訪問リハ1.5%、居宅介護支援・介護予防支援2.1%が新しく対象になった。
  • 加算額は「総報酬単位数×加算率」で決まる、事業所全体の金額。表の率は前からの積み上げを含む合計で、全部が今回増えた分ではない。
  • 加算Ⅳ相当額の2分の1以上を月額賃金で配るのが要件。ただ、手当や一時金からの付け替えでも満たせるので、基本給が上がっても年収が同じことはありうる。
  • 聞くのは、算定の有無、区分、自分への乗り方、計画書の中身。職員から問い合わせがあれば書面などで分かりやすく答えることも、通知で事業者が努める点に入っている。

こーぎーからひとこと。1.9万円の見出しより、「うちの区分はどれ?」の一言のほうが、明細の謎はずっと早くほどけるよ。聞きにくかったら、上の文例をそのまま読んじゃっていいんだ。

配分がおかしいと感じた時の動き方と、施設に説明を求める時の手順を、有料note『月1万9,000円アップの「真実」処遇改善加算、あなたの施設はちゃんともらえてる?』にまとめています。noteは書いた時点の内容です。制度の数字は、この記事(2026年11月1日更新)の出典(厚生労働省の資料)を基準にしてください。

出典・参考

出典(一次ソース)

加算率・要件・施行日は上記の一次資料から引用しています。解説サイトや人材紹介会社の記事は出典に使っていません。


この記事を書いた人:ミミ介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護施設で生活相談員・ケアマネジャーとして勤務。現場の職員研修と介護現場でのAI活用の推進に携わっています。記事の数字・制度は一次資料の原文を開いて確認してから書いています。誤りに気づいた方はお問い合わせから教えてください。 運営者情報

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